カメラの歴史

カメラの歴史は古く、映像を記録するという意味でその仕組みが作り出されたのは紀元前にさかのぼります。暗い部屋の一方から入ってきた小さな光が奥の壁に映像を映し出すというのがカメラの最も原始的な形です。この映像を記録できるようになったのが19世紀のヨーロッパで、はじめは映像を記録するために8時間かかっていたものが、20世紀までの100年間に劇的な進歩を遂げ、ネガ・ポジ法の完成や湿版写真法の発明によって10秒以下の露光で写真が撮れるまでになったのです。日本にも江戸時代である1848年にオランダ船によってカメラがもたらされたとされており、日本で初めて国産カメラが一般発売されたのが1903年。ニコンやキャノン、ペンタックスなど、世界で活躍する日本のカメラメーカーの快進撃はここから始まったのです。
とはいえ、日本でカメラが一般家庭に普及するのは戦後のことであって、それまでは写真を撮るなら写真館へ、個人でカメラを所有しているのはかなりの富裕層でした。1930年以降にようやくカメラが普及し始め、1950年代に登場したドイツ製のライカが一大ブームを巻き起こします。しかし、その頃のカメラは、露光の調整が必要であったため、誰もが簡単に撮影できるというものではありませんでした。自動露光で写真が撮れるカメラが登場するのが1960年代で、その後レンズ付きフィルムなどどんどん簡便なカメラが登場することになります。
カメラの歴史において、もう一つの大きな転換点が、デジタル化です。世界ではじめてデジタルカメラが開発されたのが1975年。イーストマン・コダックの開発者によるものでした。もちろん初めは高価なものですが、次第に技術革新が進み、1990年頃から一般向けにも発売。ほぼ同時期にパソコンが家庭に普及し始めたこともあって徐々に注目されはじめ、各社の画素数競争の激化により写真性能が飛躍的に向上したこともあって一気にシェアを伸ばし、2005年頃には完全フィルムカメラを上回る販売実績を上げるようになりました。その後、デジタル一眼レフの普及や携帯のカメラ機能の一般化もあって、カメラは私たちの生活により密着したものになりつつあります。現在携帯電話についたカメラの性能も向上して、プリントしてもカメラで撮ったものと遜色ないほどになっており、コンパクトカメラも低価格の簡便なものから一眼レフに近い性能を持った高機能なものまで幅広く販売されるようになりました。さらに、高機能な一眼レフも一般家庭に普及しつつあるなど、家庭内でも携帯カメラやコンパクトカメラ、一眼レフなどを必要に応じて使い分けることが多くなっています。

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